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レドックスイメージンググループ研究内容

脳卒中、心筋梗塞、糖尿病等の多くの酸化ストレス性疾患の成因・進展に活性酸素・フリーラジカル生成を含むレドックス変動(生体内酸化還元状態)が密接に関与することが明らかとなってきました。これら疾患の患者と患者予備軍は我が国だけでも数百万人にものぼることや、治療に対する薬剤の貢献度・満足度の低い疾患の多くに酸化ストレスの関与が示されていることから有効な治療法の開発・創薬が急務であるといえます。
酸化ストレス疾患を対象とした治療法の確立には病態の解明とそれに基づく治療薬の開発(実験小動物での前臨床研究とヒトでの臨床試験)が不可欠で、上記疾患群のレドックス動態や生体情報を個体レベルで可視化できれば、疾病の解析とその治療法の確立や医薬品・医療機器の開発に大きく貢献すると考えています。
そこでレドックスイメージンググループでは協働機関(富士電機ホールディング株式会社)とともに下記の研究課題に取り組んでいます。

1.レドックス反応を介した新たな生体代謝イメージング法の開発

動的核偏極(Dynamic Nuclear Polarization:DNP )MRIを用いた生体代謝イメージング技術の開発を行っています。

2.レドックス疾患モデル動物の生体レドックス解析

グループ横断型研究で、がん、精神疾患、脳梗塞、肝疾患、筋疾患、皮膚疾患等の非侵襲代謝イメージング法を開発し、病態形成とレドックス変動の関係を明らかにし、これらの疾患における新たな精密診断技術開発をおこなっています

3.レドックス・メタボローム融合解析技術の構築

生体レドックスイメージングは病巣部のレドックス反応の非侵襲解析を可能にする一方で、レドックス変動の起因もしくは成因となる分子種を同定することが困難です。そこでメタボリック・プロファイリンググループが有するメタボローム解析との融合化技術を構築することで酸化ストレス疾患におけるより詳細な病因解析を行い創薬・早期診断への突破口を開くことを目指しています。

富士電機ホールディングスとの協働研究

写真:九大・富士電機共催シンポ(09年11月)、月例技術検討会

レドックスイメージンググループの協働企業である富士電機グループは、創業以来培ってきた「電気を自在に操る」技術の強みを生かし、「エネルギー・環境」分野で存在感を発揮している総合電機メーカです。2009年11月には九州大学と富士電機の共催でシンポジウムを開催するなどフィージビリティ・スタディの段階から相互理解を深める取り組みを行ってきました。
レドックスイメージンググループでは、同社が得意とする電力変換技術、磁気制御技術、磁気計測技術を応用したDNP-MRIの均一磁場発生技術や、物理・化学センシング技術を応用した低侵襲検診・治療に貢献する内視鏡内蔵センサの開発に共同で取り組んでいます。これらの研究には、富士電機グループから延べ13名の研究者・技術者が参画しています。九州大学と富士電機グループは、富士電機グループの主要工場と九州大学間で技術報告会を交互に行い、技術課題の共有化、新たなイノベーション創出をめざし研究を展開しています。