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先端がん診断・創薬グループ協働企業:大鵬薬品工業株式会社

今ある抗がん剤を見つめなおし、新しいがん治療法の開発や創薬へ
林 泰司 <大鵬薬品工業株式会社 徳島研究センター センター長>

大鵬薬品は1963年の創業以来、「私たちは 人びとの健康を高め 心豊かな社会づくりに貢献します」の企業理念のもと、独創的な医薬品の研究・開発に取り組んできました。医療用医薬品では、「ユーエフティ」「ティーエスワン」を始めとする数多くのがん領域の薬剤を送り出し、がん治療薬のリーディングカンパニーとして国内外から高く評価されています。また、尿失禁・頻尿治療剤やアレルギー性疾患治療剤など、生活の質の向上に貢献できる特徴ある製品も上市してきました。さらに、OTC医薬品では、お客様志向を第一に「チオビタ」、「ソルマック」、「ハルンケア」ブランドなど、ユニークで高品質な製品を通じて愛情豊かな暮らしを応援しています。
新薬テーマは、がん領域を中心にアレルギーおよび泌尿器領域に特化しており、がん領域では大きな柱である抗悪性腫瘍剤「ユーエフティ」「ティーエスワン」の効果を増強しうる薬や、新しいタイプの抗がん剤の研究開発を行っています。現在、がん細胞が増殖する時に必要な酵素を阻害する抗がん剤や、がん細胞のDNAやRNAの合成を阻害する抗がん剤、さらには血管新生を阻害する抗がん剤などの開発に積極的に取り組んでいます。アレルギー領域では、Th2サイトカインの産生を抑制することにより抗アレルギー作用を示す「アイピーディ」の開発で、また、泌尿器領域では抗コリン作用により尿失禁・頻尿の改善を示す「バップフォー」の開発で、それぞれ蓄積した知見やノウハウを生かした、新しいタイプの治療薬の研究開発を進めています。
大鵬薬品の新薬開発は、つくば研究センター、徳島研究センター、および開発センターが担っており、新し医療の流れを見据えたイノベーションに取り組み、先進的な研究機関や他社とも連携し、社会的な価値の高い新薬を効率的に医療現場に届けることを目標としています。

■つくば研究センターは2009年8月に開設され、新薬のシーズ探索を担当しています。優れた薬効を持ち、かつ安全な新薬となる可能性を秘めた化合物を絞り込むため、計算化学を基にした分子設計、シーズ化合物の化学修飾、最新のバイオテクノロジー技術を駆使した新規物質の探索、有用性や安全性に関する評価、作用機序の解明、シーズ化合物の物理化学的な性質の評価および薬物動態試験を行っています。また、分子標的薬研究に特化した部門の設立によって、がん分野のリーディングカンパニーとしての基盤研究を強化しています。
■徳島研究センターは、新薬創製の入り口から製品化の技術研究、上市以降の育薬までを含め、多岐にわたる業務を担っています。厚生労働省や医薬品機構など当局への申請に必要なレギュラトリーサイエンスに基づいた非臨床試験、さらには医療現場とのタイアップを図りながら市販後の薬の効能拡大、適正使用のための研究を推進し、患者さん一人一人に合った、効果が高く副作用が少ない治療薬を確立するための研究を行っています。また、新薬創製の段階から患者さんの手もとに届くまで、形状やパッケージなど細部にいたるまでクオリティを追究、グローバルな基準にも対応できる技術研究を効率的な製造方法の確立を行っています。
■開発センターは、治験に強力していただく患者さんをモニターし、有効性と安全性に関するデータをまとめ、承認審査当局へ申請する業務を担当しています。医師とディスカッションした上で新たな治療法を定め、さらに医療現場と良好なコミュニケーションを図りながら、新薬に希望を託す患者さんのため、一つ一つ慎重に臨床試験全体をマネジメントしています。                                              大鵬薬品は、これまで培ってきたキーオピニオンリーダーの医師や先生との強いパイプを活かし、常に創薬研究の質とスピードを高めてきました。先端融合医療レドックスナビ研究拠点では、九州大学医学研究院消化器。総合外科 前原喜彦教授・グループ長(先端がん診断・創薬グループ)の協働機関として、5-FUを始めとする、臨床の現場で投与されている抗がん剤の作用メカニズムを、最新の細胞生物学的、分子生物学的手法を用いて分子レベルで明らかにし、新たな標的分子の発掘に取り組んでいます。癌治療の最前線で蓄積されたノウハウと基礎医学研究との融合、レドックスナビ研究拠点の各グループ・協働機関との相互協力を通じて、癌患者さんが待ち望んでいる新薬や新規治療法の開発を目指します。

 

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