ここから本文です

生体レドックス画像解析グループ研究内容

生体レドックス反応は、レドックス反応を介した生理機能発現、及びそれに伴うROS産生、また産生されたROSと生体分子との代謝・反応を表す概念である。生体レドックスは生理機能発現、あるいは活性酸素過剰産生を介した生体レドックス変動などを介して、疾患形成にも関与している。従って、生体レドックスの可視化は、生体レドックス関連疾患の機序解析、診断等に重要な情報をもたらす。

従って、生体レドックスの画像解析に適したmodalityに求められる要素技術・手法として、生体レドックス動態(レドックス代謝および非レドックス反応)を検出しそれを可視化することが、生命現象の解明と創薬、および医療機器産業の発展に極めて重要である。
そこで、本グループでは、磁気共鳴法を中心に生体レドックスの画像化、高感度分析を通し、生体レドックスナビゲーションの解析・分子イメージングに関わる技術開発を行うことを目的としている。具体的には、以下の項目を中心に研究・開発を行っている。
1)  OMRIの開発・製品化を目指す、
2)  反応選択性を付与したニトロキシルフローフ剤を開発する
3)  内視鏡用 OMRI 検出装置を開発する

Overhauser enhanced MRI(OMRI)は、造影剤ラジカルを介して生体レドックス動態を高感度に検出する手法である。その基本原理は、造影剤ラジカルと生体中の水素核の相互作用を利用して、造影剤濃度に応じて水分子(プロトン)の信号強度を変化させ、MRIを通して間接的にフリーラジカルの位置情報を得るものであり、機能的画像化装置として非常に有用である。また、生体を低侵襲に解析できるという特徴もある。しかし、OMRIには完成市販品が無いため、電子スピン共鳴(ESR)/MRIを組み合わせた新しい磁場循環法を用いた高磁場検出を行うことで高感度化を行った。その結果、新磁場循環法により1 Tを越える磁場強度が実現可能であることを実証し、物理解像度0.2 mm未満の高解像度OMRI装置開発に成功した。

磁場循環型高磁場CMRI装置の外観マウスにおけるOMRIレドックス画像の比較

また、OMRI装置を臨床的に用いられる他の技術(内視鏡術)等と組み合わせることで、生体レドックス動態に基づく治療に直結しうる。そこで、大型動物に適用しうるOMRI共振器を開発することで、OMRI画像化法の適用範囲を大きく拡張し、OMRI画像と内視鏡術との連携を可能とした。実際に、試作共振器を家兎の擬似内視鏡術へ応用し有用性を確認した。今後、これまでに開発した高解像度装置をもとに、臨床応用につながりうる新しいOMRI装置へむけて技術開発をすすめていく予定である。